令和5年度 佐渡市スポーツ協会 基本方針及び事業計画
【はじめに】
令和4年度は、ゼロコロナから、withコロナに移行した中で、スポーツの普及・振興に努めること、それによって、コロナ禍以前のスポーツ活動の復活を目指すことに取り組んだ1年であった。
当協会にとっては、過去3年間のコロナ禍は予想できない影響があり、協会が推進するスポーツ活動の復活は容易ではなかった。その顕著な例が、開催直前に中止にせざるを得なかった佐渡トキマラソン大会である。第7波の収束を見込んで計画を進めていたが、第8波が襲来し、大会を安全に実施する気運や体制を整えることができなかったことである。
そこで、コロナ禍にあって、安心・安全にアスリートやボランティアがスポーツ活動を展開するにはどうすればよいか、みんなで考え、学び、実践した結果、再開への環境を徐々に整えていくことになった。 幸いなことに、国によるワクチン接種普及率の向上もあって、スポーツをめぐる環境が変化し、足かせとなっていた規制が次々に緩和されるようになった。
春にはプロ野球OBによる全国少年少女野球教室を開催したり、佐渡ロングライド210やウォータースイミング大会をwithコロナの精神で次々に復活させたりした。
夏の佐渡国際トライアスロン大会の復活に至っては、内外のアスリートだけでなく、久々に大会関係者や市民にスポーツによる喜びを蘇らせることができた。
また、全国レベルの大会も次々に復活し、離島甲子園大会での佐渡市中学生の優勝をはじめ、市内高校生チームが、バスケットボール、バレーボールの全国という大舞台で実力を発揮し、好成績を収めた。
秋には、新規事業の佐渡市陸上競技場の無料開放ディを実施し、障害スポーツ実践者やサッカー愛好者、50メートル電子計測(写真判定走)希望者など、新しい分野のスポーツ・運動に取り組む環境を創出するとともに、あまりなじみのない陸上競技場を紹介することにもつながった。
5年度は、「コロナ禍に怯むことなく、コロナに正対し、withコロナの精神で、スポーツ活動の推進を図る」を継続し、「守勢」であった今までの当協会のスポーツ活動を、まずはコロナ禍以前の活動状況に復帰させること、次にそれ以上に振興を図る「攻勢」へと転じていくことを目標としたい。そのため次の3点を重点的に取り組んでいく。
その第1点は、当協会加盟団体の活動の復活を実現することである。猛威を振るうコロナ禍にあって、中止の可能性をはらみながら、取組を強いられた当協会の加盟団体の受けた影響は大きい。事業を計画しても、以前のような参加者が得られないことや、推進する人材の不足や高齢化が以前に増して報告されている。特に地域スポーツ協会(体育協会)にこの傾向は顕著である。協会挙げて、指導者の育成、競技力向上のための講習会支援や新しい人材づくりに努める必要がある。加盟競技団体への活動支援が競技力の向上に結び付き、加盟地域スポーツ協会等への支援が、元気な地域づくりへと結びついていくことと確信する。
その第2点は、市民の健康寿命の延長に貢献するため、健康維持増進活動や生涯スポーツの普及に努めることである。現在、幼児スポーツ教室や健康教室や介護予防教室等の取組やグラウンド・ゴルフ、カローリングなど、「いつでも、だれもが、手軽に取り組めるスポーツ」の推進を行ってきている。
b今後も、意欲的にスポーツ・運動に取り組める環境を整備することに努め、市民の健康の保持・増進のため、スポーツ活動を拡充することに努めていく。また、当協会の推進している地域コミュニティ事業の拡充も図っていく。
第3点は、文部科学省により中学校の部活動が地域スポーツ活動への移行が進められている。移行が円滑に行われるため、学校及び競技団体への連絡調整を図り、移行を支援していくことである。
以上のことを踏まえ、令和5年度も引き続き次を基本方針に掲げ総力を挙げて取り組む。
基本方針
平成5年度の基本方針を次のように定める。
市民のスポーツに対する関心を高め、市民のスポーツ参加を促し、その活性化を図っていく。そのため、スポーツ推進の中心的存在である各加盟団体と連携して競技力向上を図るとともに、市民スポーツや生涯スポーツを推進し、スポーツアイランド佐渡の環境整備を進める。
事業計画・事業報告
(1)競技力の強化を目指し、優秀選手並びに指導者育成を図る。
市内青少年の全国大会への出場が定着してきている。競技団体によっては、優秀なアスリートを育成するため、初級段階から上級段階まで個々に応じた指導をジュニア層から高校生・一般まで、一貫した指導体制を構築している。当協会として、これらの競技団体に引き続き助成制度が有効活用されるよう支援していく。また、指導体制が未整備の競技団体には、一貫した指導体制を構築するよう支援を図っていく。
優秀選手及び指導者を育成するため、島内外から優秀指導者やアスリートを招聘し、指導力や競技力の向上を図るための実技講習会や講演会を実施する競技団体には、スポーツ講習助成事業を通して支援する。
◎ 事業内容
・選手育成強化事業助成事業 | 年間実施 | 270万円 |
・スポーツ交流支援助成金事業 | 年間実施 | 130万円 |
・スポーツ講習助成事業 | 年間実施 | 30万円 |
・加盟団体助成事業 | 年間実施 | 270万円 |
・総合スポーツ大会の開催 | 6月~8月 | 35万円 |
・リレーマラソン大会の開催 | 3月24日(土) | 25万円 |
・指導者講習会の実施 | 11月上旬 | 10万円 |
・表彰式(優良指導者等) | 2月中旬 | 58万円 |
(2)市民の健康づくりに寄与する生涯スポーツを振興する。
市民にスポーツの必要性を訴え、意識的にスポーツ・運動に取り組むよう推進する。
スポーツ振興を通して、高齢者社会に対応した地域住民の健康づくりと地域コミュニティの活性化を目指すとともに、スポーツ離れの状況がみられる子供たちへ、継続的にスポーツに触れ合う場の提供を推進する。
幼児から高齢者に至るまで、そのステージにふさわしいスポーツの振興を通して、市民の健やかな心身を育むことに少しでも寄与することは、市民の健康と地域社会の発展に貢献することにつながる。市民の各ステージにふさわしい生涯スポーツニーズに応えるよう啓発活動を推進する。そのために、有資格職員を最大限活用して教室等の充実や指導者派遣事業の拡張を図る。
コロナ禍のため希薄になってしまった地域コミュニティを再構築するため、地域スポーツ振興の担い手である地区公民館、地区スポーツ推進委員協議会、地区体育・スポーツ団体の三者が連携して、地域住民の健康づくり、コミュニティづくりを図るよう地域コミュニティ事業の推進を図る。
◎ 事業内容
・協会設立記念第9回佐渡市グラウンド・ゴルフ大会 | 6月4日(日) | 1万円 |
・第7回佐渡市カローリング大会 | 3月4日(日) | 1万円 |
・第1回市民ボッチャ大会 | 新規1万円 |
|
・地域コミュニティ事業 |
年間実施 |
30万円 |
・第4回さど健幸ウォークの開催 | 10月28日(土) | 31万円 |
・園児の運動あそび教室出前授業(拡充) | 年間実施 |
|
・シニア体力づくり教室出前授業(新規) | 年間実施 |
|
・高齢者健康づくり教室出前授業(拡充) | 年間実施 |
|
・協会直営のスポーツ教室の実施(拡充) | 年間実施 |
|
・広報紙発行 | 42万円 |
(3)協会主管イベントの充実を図るため、関係機関との連携を強化する。
前年度の4大スポーツイベントについては、コロナ禍で開催することを最大の目標とし、飲食物の提供など感染リスクの高いサービスは取り止め、必要最低限の内容としたため、大会本来の魅力が失われたものとなった。今年度は国・県の指針に沿った対策を講じたうえで、可能な限り魅力ある大会にしていく。
また、ボランティアの確保も困難が予想されることから、関係機関と協議しながら効果的な運営方法を検討する必要がある。ボランティア確保の課題は常態化していることから、ボランティアのやりがいや楽しみ方を知る研修会を開催し、スポーツボランティアの養成を図る。
◎ 事業内容
・第14回佐渡トキマラソン | 4月23日(日) |
・第1回エンジョイグルメライド(新規) | 5月20日(日) |
・第18回佐渡ロングライド210 | 5月21日(日) |
・第11回佐渡オープンウォータースイミング | 7月23日(日) |
・第22回佐渡ジュニアトライアスロン大会 | 9月2日(土) |
・第35回佐渡国際トライアスロン大会 | 9月3日(日) |
・ボランティア研修会の開催(新規) |
(4)指定管理施設の市民有効活用のため、適切かつ効果的な施設管理を行う。
市の施設利用に際しての予防対策ガイドラインに基づいて、指定管理施設を適正に管理し、安心・安全なスポーツ環境を提供する。
各施設でのスポーツ教室の拡充をし、教室の参加者や修了者の利用促進を図る。また、スポーツイベントのボランティア参加によるポイント付与制度の効果的な活用により、体育施設の利用機会の創出をする。特に利用者数の少ない陸上競技場については、昨年に引き続き開放ディ等のイベントを企画・実施し、利用促進を図る。
施設運営にあたっては、安全管理の徹底を図るとともに、利用者の声を聞きながらホスピタリティの向上や営業時間の柔軟な対応等により、サービス向上を図る。
施設の老朽化による修繕にも積極的に対応し、佐渡市と協議しながら、改修箇所の早期対応を図る。
また、本年度は、佐渡市総合体育館関連施設の指定管理業務受託の最終年度であり、継続して契約できるように対応していく。
◎ 事業内容
・各種スポーツ教室の実施(拡充) | |
・ボランティアポイント付与制度 | |
・陸上競技場市民開放デー及びイベントの実施 | 10月28日(土) |
1.基本方針及び事業計画
(1)競技力の強化を目指し、優秀選手並びに指導者育成を図る。
① 実施状況と課題
ア 競技力の強化
令和4年度は、野球、バスケットボール、バレーボール、陸上競技、空手の5競技種目のジュニアが全国大会出場を果たし、さらにその全国大会でも上位に入賞するなど、ジュニアの競技力向上が注目を浴びた。これは、ジュニア層から高校・一般まで、初級から中級、上級へと系統だった一貫した指導を推進している加盟競技団体の長年の努力の成果であり、指導体制の有効性を推奨する良い事例となっている。今後も一貫した指導体制が未整備の競技団体には、指導体制の構築を図っていくことが求められている。
一方、令和4年度は、Withコロナの観点から、各加盟団体に活動再開を働きかけた結果、総合スポーツ大会を皮切りに活動再開が見受けられた。今後は、競技者が競技レベルの向上をそれぞれ目指していくことが課題である。そのために、競技力向上をねらいに設けられている選手育成強化事業やスポーツ交流支援事業を有効に活用するように指導者をはじめ関係者に周知を図っていく必要がある。
イ 指導者の育成
令和4年度、当協会が主催する指導者講習会は、講師に茂木ゆういち氏を招聘し、「Z世代に対する指導とドイツ流の指導について」と題して講演会を開催した。大人世代とは異なった感性をもっているジュニア層(Z世代)に対する指導の仕方について、得るものが多かったとの感想が多く寄せられた。今後も指導者のニーズを把握し、それに応える講習会をいかに企画するかが課題である。
指導者の資質向上を目的に設けられている講習会助成事業を活用したのは、わずか2競技団体だけであった。スポーツ交流支援助成事業についても、令和4年度もコロナ禍の影響により活動自体を自粛する傾向にあり、たった1件しかなかった。しかし、年度後半、コロナの収束に伴い島外から指導者を招聘して、講習会を開催したり、チームを招いて交流大会を復活したりしようとする動きが起きた。
今後は、この流れを加速させ、講習会助成事業、交流支援助成事業の周知を図り、推奨することが課題である。
② 事業内容
事業内容 | 支出額 |
選手育成強化事業助成事業(予算額270万円) | 1,864,000円* |
スポーツ交流支援助成金事業(予算額130万円) | 384,800円* |
スポーツ講習助成事業(予算額30万円) | 25,000円* |
加盟団体助成事業(予算額270万円) | 2,130,000円* |
総合スポーツ大会の開催(予算額35万円) | 267,528円 |
プロ野球OB会少年少女野球教室(予算額15万円) | 98,926円 |
指導者講習会の実施(予算額10万円) | 100,000円 |
優良指導者等表彰(予算61万円) | 560,154円 |
(2)市民の健康づくりに寄与する生涯スポーツを振興する。
① 実施状況と課題
協会主催の第8回市民グラウンド・ゴルフ大会や第5回市民カローリング大会は、初心者の参加も増え、年々定着している。しかし、現在のスタッフや設備、用具数を考えると日程や参加者チーム数を検討し、運営方法を考える必要がある。
これらの生涯スポーツがもつ特性、「適度な運動、脳トレ、仲間との楽しいコミュニケーション」が、体力維持増進につながることを啓発し、健康寿命延伸の意識と結びついていくよう働きかけていくことが課題である。
第3回となる健幸ウォークは、真野会場にロングコース(21km)17人、ショートコース(12km)31人合計48人の参加で、コロナ禍の影響か、例年と比較して参加者数が減少したものの、参加者は、普段歩いたことのないコースや新しい店舗等を巡り、好評を得た。
さどリレーマラソンについては、コロナ禍での開催ではあるが、規制も緩和し、午前中はハーフマラソンの部に11チーム、午後のフルマラソンの部に8チーム、計19チーム、220人が参加した。今回から一般チームでもハーフマラソンの部に参加できるようにし、親子で参加するなど微笑ましいシーンが数多く見られた。
幼児期における運動習慣を身に付けるため、市と連携して市内すべての公立保育園に指導者を派遣し、延べ76回(1,234人)の幼児運動遊び教室を実施した。
新潟県スポーツ協会の委託事業で、11月6日(日)に新潟アルビレックスランニングクラブが中心となり、佐渡市総合体育館を会場に「スポーツ体験キャラバン」を実施した。親子健康づくり、パラスポーツ、親子運動遊び、フェンシング、かけっこチャレンデイ25やプレイエリアブースを設置し、参加者にはガラポン抽選会も実施して、218人の来場者があり、各ブースの参加延べ人数は、1,567人で、1人当たりの体験ブース回数は、7.2回と他の3会場(上越、長岡、新潟)よりも多く、参加した子供たちは、何回も何回も各ブースを回って楽しんでいた。好評により、令和5年度も10月22日におんでこドームで実施を計画している。
地域コミュニティ事業については、両津、金井 相川、佐和田、真野、小木、羽茂、赤泊地区において実施された。推奨種目のカローリングにグラウンド・ゴルフ、ボッチャなどのニュースポーツを取り入れたり、ウォーキングや親子楽しみ会などを工夫して組み合わせたりして取り組んでいた。
実施を見送った地域に対しては、その地域の特徴的なスポーツ活動を活かして、地区体育協会、スポーツ推進委員協議会、公民館が連携して実施できるように企画・運営面に支援をしていくことが課題である。
② 事業内容
事業内容 | 支出額 |
第8回佐渡市グラウンド・ゴルフ大会(予算額2万円) | 7,655円 |
第6回佐渡市カローリング大会(予算額1万円) | 5,989円 |
地域コミュニティ事業(予算額30万円) | 205,914円 |
第3回さど健幸ウオークの開催(予算31万円) | 81,408円 |
リレーマラソン大会の開催(予算25万円) | 223,240円 |
広報紙発行(予算額42万円) | 410,850円 |
スポーツボランティア講習会 | |
園児の運動あそび教室出前授業(別紙資料3参照) | |
シニア体力づくり教室出前授業(別紙資料2参照) | |
協会直営のスポーツ教室の実施(別紙資料2参照) |
(3)市の委託事業の充実を図るため、関係機関との連携を強化する。
① 実施状況と課題
4大スポーツイベントについては、佐渡トキマラソン大会がコロナ禍の影響により3年連続で中止となった。しかし、佐渡ロングライド、佐渡オープンウォータースイミング、佐渡国際トライアスロン大会は開催し、選手の大会参加の機会を創出するとともに、翌年度以降の大会参加につなげていくこととなった。
② 事業内容
ア) 第13回佐渡トキマラソン2022 中止 |
イ) 第17回佐渡ロングライド210 |
ウ) 第10回2022佐渡オープンウォータースイミング |
エ) 第34回佐渡国際トライアスロン大会 |
(4)指定管理施設の市民有効活用のため、適切かつ効果的な施設管理を行う。
① 実施状況と課題
【全体】
令和4年度は、長期にわたる活動の自粛により身体的・精神的な疲労が懸念されたなか、withコロナの対策が浸透したことにより、当協会が指定管理をしている体育施設においては、利用者数全体が前年度と比較して約3~5パーセントの増加となり、回復の傾向にあった。しかし、令和元年度コロナ禍前の水準の70数パーセント程度しか回復しておらず、これからの大規模イベントや商業イベントの開催が待たれる。
引き続き、安心・安全なスポーツ環境を提供することによって市民スポーツの身体的・精神的な健康の維持を図るため、適切かつ効果的な施設管理に努めたい。
新規事業として取り組んだ佐渡市陸上競技場無料開放デイは、公認陸上競技場を一般市民に無料で開放することにより、施設の認知度の向上や利用促進を図るとともに市民スポーツの普及振興を図ることが目的であった。
利用促進については、写真判定計測体験コーナーでは、小学生から高齢者まで、また親子で利用されていた。正式に記録が計測され、記録書を受けとると、ことのほか喜んでいた。グラウンド・ゴルフ、フライングディスク、サッカーの各コーナーなど、普段はできない試技や用具に触れることができ、有意義な時間を提供することができた。各コーナーの運営に携わった各団体が、普及をはかる良い機会としてこのイベントをとらえ、発展させていくことが望まれる。
そして、国民の祝日であるスポーツの日に、子供から高齢者まで、多くの市民が佐渡市陸上競技場に集い、スポーツを楽しむイベントの一つになるよう第2回目を企画することが課題である。
② 事業内容
各種スポーツ教室の実施(拡充) |
ボランティアポイント付与制度 |
陸上競技場市民開放デーの実施 |
各種書類
過年度分
【はじめに】
令和3年度は、新型コロナウイルス感染症第4波の対応に始まり、第6波の終息を目指す対応で終わった。その中にあって、無観客ながら開催された2020東京オリンピック・パラリンピックやプロスポーツ等のスポーツイベントは、多くの人々に明るい夢や希望・感動を与え、スポーツが持つ素晴らしい力に触れることができた1年であった。
当協会も、設立以来7年間、「市民のスポーツ活動の振興に資する事業を行い、市民スポーツ活動の活性化に寄与する」を目指し、スポーツの素晴らしい力を市民に享受してもらおうと取り組んできたが、近年その成果の一端が現れている。
その1つめは、育成強化の取組である。
全国を舞台に活躍する競技チームや競技者が、年々増えている事である。喜ばしいことに令和3年度は、協会特別賞を多くの方が受賞されている。佐渡のスポーツ界で育まれ、当協会としても支援してきた選手が、高校生、大学生として全国大会で活躍したり、プロの世界で活躍するアスリートが現れた。48年ぶりの佐渡から関取誕生の朝乃若関、菊地大稀投手の佐渡初のプロ野球選手誕生である。市民にとって吉報であり、何より長年選手育成に尽力されてきた加盟団体関係者の努力の成果である。
その2つめは、協会主催の健康づくり教室、スポーツ教室等が活況を呈していることである。これは、コロナ禍により市の各スポーツ施設の閉館、学校での部活動の時間短縮により、市民のスポーツを楽しむ機会が奪われ、市民の体力の低下、不安やストレスの増大に伴う、健康体力の維持向上、仲間づくりに対するニーズが高まったことが背景にある。
しかしながら、市民にとっては気軽にスポーツを楽しむことができず、運動不足による身体的及び精神的な健康を懸念する1年でもあった。
さて、令和4年度は佐渡市スポーツ推進計画が施行されて2年目を迎える。このような状況にあって、課せられた役割の大きさを自覚し、行政や関係機関との連携を密にし、基本理念である「誰もが、いつでも、どこでも、いつまでも気軽にスポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会の実現」の一翼を担えるよう努める。
その意味で、令和4年度はコロナ禍に怯むことなく、コロナと正対し、引き続きwithコロナの精神で実践しながら、意欲的にスポーツ・運動に取り組める環境を整備し、市民の健康の保持・増進のため、より一層のスポーツの推進を展開していく。
【基本方針】
平成4年度の基本方針を次のように定める。
市民のスポーツに対する関心を高め、市民のスポーツ参加を促し、その活性化を図っていく。そのため、スポーツ推進の中心的存在である各加盟団体と連携して競技力向上を図るとともに、市民スポーツや生涯スポーツを推進し、スポーツアイランド佐渡の環境整備を進める。
(1)競技力の強化を目指し、優秀選手並びに指導者育成を図る。
市内青少年の全国大会への出場が定着してきている。競技団体によっては、優秀なアスリートを育成するため、初級段階から上級段階まで個々に応じた指導をジュニア層から高校生・一般まで、一貫した指導体制を構築している。当協会として、これらの競技団体に引き続き助成制度が有効活用されるよう支援していく。また、指導体制が未整備の競技団体には、一貫した指導体制を構築するよう支援を図っていく。
優秀選手及びに指導者を育成するため、島内外から優秀指導者やアスリートを招聘し、指導力や競技力の向上を図るための実技講習会や講演会を実施する競技団体には、スポーツ講習助成事業を通して支援する。
プロ野球OB選手から直接指導を受ける少年少女野球教室の開催を通して、野球に対する愛好者の底辺を広げる。あわせて、指導者講習会を開催し、指導力向上を目指す。
◎ 事業内容
・選手育成強化事業助成事業 | 270万円 |
・スポーツ交流支援助成金事業 | 130万円 |
・スポーツ講習助成事業 | 30万円 |
・加盟団体助成事業 | 270万円 |
・総合スポーツ大会の開催 | 35万円 |
・リレーマラソン大会の開催 | 25万円 |
・プロ野球OB会少年少女野球教室 | 15万円 |
・指導者講習会の実施 | 10万円 |
・表彰式(優良指導者等) | 58万円 |
(2)市民の健康づくりに寄与する生涯スポーツを振興する。
市民にコロナ禍でのスポーツの必要性を訴え、意識的にスポーツ・運動に取り組むよう推進する。
スポーツ振興を通して、高齢者社会に対応した地域住民の健康づくりと地域コミュニティの活性化を目指すとともに、スポーツ離れの状況がみられる子供たちへ、継続的にスポーツに触れ合う場の提供を推進する。
幼児から高齢者に至るまで、そのステージにふさわしいスポーツの振興を通して、市民の健やかな心身を育むことに少しでも寄与することは、市民の健康と地域社会の発展に貢献することにつながる。市民の各ステージにふさわしい生涯スポーツニーズに応えるよう啓発活動を推進する。そのために、有資格職員を最大限活用して教室等の充実や指導者派遣事業の拡張を図る。
コロナ禍のため希薄になってしまった地域コミュニティを再構築するため、地域スポーツ振興の担い手である地区公民館、地区スポーツ推進委員協議会、地区体育・スポーツ団体の三者が連携して、地域住民の健康づくり、コミュニティづくりを図るよう地域コミュニティ事業の推進を図る。
◎ 事業内容
・協会設立記念第8回佐渡市グラウンド・ゴルフ大会 | 2万円 |
・第6回佐渡市カローリング大会 | 1万円 |
・地域コミュニティ事業 |
30万円 |
・第3回さど健幸ウォークの開催 | 31万円 |
・園児の運動あそび教室出前授業(拡充) |
|
・シニア体力づくり教室出前授業(新規) |
|
・高齢者健康づくり教室出前授業(拡充) |
|
・協会直営のスポーツ教室の実施(拡充) |
|
・広報紙発行 | 42万円 |
(3)協会主管イベントの充実を図るため、関係機関との連携を強化する。
今年度の4大スポーツイベントを開催するに当たっては、新型コロナウイルス感染症対策を講じなければならない。基本的な感染予防策の実施、日程変更や参加者の制限、コースの変更、規模縮小等、様々な対策を検討する必要があり、ともすると参加者にとって魅力に乏しい大会となってしまうおそれがあるが、コロナ禍で3年連続中止を回避するための開催に意義があり、来年度以降の大会参加につなげていく。
また、コロナ禍においてボランティアの確保も困難が予想されることから、関係機関と協議しながら人員削減の方法を検討する必要がある。ボランティア確保の課題は常態化していることから、ボランティアのやりがいや楽しみ方を知る研修会を開催し、スポーツボランティアの養成を図る。
◎ 事業内容
・第13回佐渡トキマラソン | 4月24日(日) |
・第17回スポニチ佐渡ロングライド210 | 5月15日(日) |
・第10回佐渡オープンウォータースイミング | 7月17日(日) |
・第21回佐渡ジュニアトライアスロン大会 | 9月3日(土) |
・第34回佐渡国際トライアスロン大会 | 9月4日(日) |
・ボランティア研修会の開催(新規) |
(4)指定管理施設の市民有効活用のため、適切かつ効果的な施設管理を行う。
市の施設利用に際しての予防対策ガイドラインに基づいて、指定管理施設を適正に管理し、安心・安全なスポーツ環境を提供する。
withコロナを実践しながら、各施設でのスポーツ教室の拡充をし、教室の参加者や修了者の利用促進を図る。また、スポーツイベントのボランティア参加によるポイント付与制度の効果的な活用により、体育施設の利用機会の創出をする。特に利用者数の少ない陸上競技場については無料開放デー等のイベントを企画・実施し、利用促進を図る。
施設運営にあたっては、安全管理の徹底を図るとともに、利用者の声を聞きながらホスピタリティの向上や営業時間の柔軟な対応等により、サービス向上を図る。
施設の老朽化による修繕にも積極的に対応し、佐渡市と協議しながら、改修箇所の早期対応を図る。
また、本年度は、佐渡スポーツハウス・佐渡市陸上競技場、両津総合体育館の指定管理業務受託の最終年度であり、継続して契約できるように対応していく。
◎ 事業内容
・各種スポーツ教室の実施(拡充) |
・ボランティアポイント付与制度 |
・陸上競技場市民開放デー及びイベントの実施(新規) |
1.事業計画
(1)競技力の強化を目指し、優秀選手並びに指導者育成を図る。
① 実施状況と課題
ア 競技力の強化
令和3年度はジュニアを中心に野球、バスケットボール、バレーボール、卓球、陸上競技、柔道、空手の7競技において全国大会出場を果たした。また、当協会の表彰式では51名の個人と11組102名の団体を表彰し、着実にジュニア層の競技力が向上している。引き続き、ジュニア層から高校・一般まで、一貫した指導体制を推進することが重要である。
総合スポーツ大会については、前年度はコロナ禍の影響により1競技のみの開催であったが、感染予防対策を徹底することで今年度は10競技で開催することができた。
また、佐渡市が激励金の拡大及び遠征費助成の新設をしたことによる支援体制の強化もジュニアの意識高揚につながっていて、今後も市との連携を図りながら支援体制の充実を図っていきたい。
今年度の新規事業である県健康づくり・スポーツ医科学センターの中学生アスリートの体力測定については、PR不足もあり申込がなかった。
イ 指導者の育成
元全日本バレーボール選手の斎藤真由美氏を講師に、「子どもとスポーツ」をテーマに指導者講習会を開催し、指導者に求めることを講習する計画であったが、新型コロナウイルスの感染拡大により急きょ中止せざるを得なかった。
スポーツ講習助成事業については、コロナ禍の影響により1件の実績しかなかった。コロナ収束後には、例年実施している加盟団体のほかに新たな加盟団体が実施するよう推進する必要がある。加えて、この助成事業を活用して各競技団体と連携をして初心者教室や女性愛好者をターゲットにしたスポーツ教室、親子スポーツ教室、シニア層を対象にしたスポーツイベントなどを開催し、多世代、多種目、多志向のスポーツの定着を図る必要がある。
② 事業内容
事 業 | 支出額 |
選手育成強化事業助成事業(予算額270万円) | 1,946,000円 |
スポーツ交流支援助成金事業(予算額130万円) | 0円 |
激励金交付事業(予算額90万円) | 0円 |
スポーツ講習助成事業(予算額30万円) | 37,500円 |
加盟団体助成事業(予算額270万円) | 2,060,000円 |
総合スポーツ大会の開催(予算額35万円) | 155,720円 |
リレーマラソン大会の開催(予算21万円) | 215,915円 |
プロ野球OB会少年少女野球教室(予算額15万円) | 【中止】 |
指導者講習会の実施(予算額10万円) | 【中止】 |
優良指導者等表彰(予算61万円) | 421,194円 |
中学生アスリート体力測定の促進(予算1万円) | 0円 |
(2)市民の健康づくりに寄与する生涯スポーツを振興する。
① 実施状況と課題
市民グラウンド・ゴルフ大会及び市民カローリング大会は初心者の参加も増えてきていて、競技人口が増加傾向にあるので、各地区での大会の開催なども含めて出場機会を増やすことを検討する必要がある。
第2回となるウオークイベントについては、サイクリングでの参加もできるよう「さど健幸ウオーク&ポタリング」として開催し、リピーターも多くイベントとして定着しつつある。さどリレーマラソンについては、参加募集開始後に児童・生徒へのコロナ感染が拡大したことから、急きょ参加資格を一般のみに変更し開催したため、参加チーム数は前年度の半数以下となった。
幼児期における運動習慣を身に付けるため、市と連携して市内すべての公立保育園に指導者を派遣し、延べ83回の幼児運動遊び教室を実施した。
地域コミュニティ事業については、コロナ禍の影響により両津、佐和田、新穂、畑野、赤泊の5地区において中止となった。実施した地区においては、カローリングなどのニュースポーツを取り入れ、子供から高齢者までの幅広い年代層の参加が得られていて、地域のコミュニティづくりに寄与している。
② 事業内容
事 業 | 支出額 |
第7回佐渡市グラウンド・ゴルフ大会(予算額2万円) | 10,254円 |
第5回佐渡市カローリング大会(予算額1万円) | 10,100円 |
地域コミュニティ事業(予算額30万円) | 122,810円 |
第2回さど健幸ウオークの開催(予算31万円) | 254,072円 |
リレーマラソン大会の開催(再掲) | |
園児の運動あそび教室出前授業 | 延べ83回 |
シニア体力づくり教室出前授業 | 【中止】 |
協会直営のスポーツ教室の実施 | 5教室 |
広報紙発行(予算額42万円) | 333,850円 |
(3)市の委託事業の充実を図るため、関係機関との連携を強化する。
① 実施状況と課題
4大スポーツイベントについては、コロナ禍の影響により昨年度に続いて2年連続でリアル大会は全て中止となった。しかし、トキマラソン、ロングライド、トライアスロンについてはオンラインでの開催をし、選手の大会参加の機会を創出するとともに、翌年度以降の大会参加につなげていくこととした。
未だコロナの収束が不透明なことから、来年度の大会は各種ガイドライン等に沿って感染症予防対策マニュアルを作成し、参加者及び市民の安全を最優先とした大会とし、例年どおりの魅力ある大会にならなくとも、まずはリアル大会を開催することを目指す。
② 事業内容
コロナ感染症拡大防止のため、4大イベント及びスポーツボランティア研修会は中止としたが、トキマラソン、ロングライド及びトライアスロンについては、オンライン大会として実施した。
ア 第12回佐渡トキマラソン2020
- 日時:5月16日(日)
- エントリー数:1,178人(前年度1,739人)
- オンライン開催
- 大会名:佐渡オンライントキマラソン
- 開催期間:5月16日~6月13日
- 参加者数:185人(島内11人、島外174人)
- 実施エリア:全国任意コース
イ 第16回スポニチ佐渡ロングライド210
- 日時:10月10日(日)
- エントリー数:0人(前年度2,881人)
- オンライン開催
- 大会名:佐渡ロングライドTRIAL
- 開催期間:10月1日~11月30日
- 参加者数:10/18現在 53人
- 実施エリア:佐渡島内全域(QRスタンプラリー)
ウ 第9回2021佐渡オープンウォータースイミング
- 日時:7月18日(日)
- エントリー数:0人
エ 第32回佐渡国際トライアスロン大会
- 日時:9月5日(日)
- エントリー数:0人(前年度1,875人)・ジュニア:0人(前年度83人)
- オンライン開催
- CHALLENGE ASTROMAN(チェレンジ アストロマン)
- 開催期間:9月19日~10月2日
- 参加者数:バイクステージ155人 ランステージ151人
- 実施エリア:全国任意コース
(4)指定管理施設の市民有効活用のため、適切かつ効果的な施設管理を行う。
① 実施状況と課題
コロナ禍の影響により2年連続での各種大会の中止が相次ぎ、それに伴い練習をする機会も減少するなど、長期にわたる活動の自粛により身体的・精神的な疲労が懸念される。このような中で、withコロナの対策が浸透したことにより、当協会が指定管理をしている体育施設おいては、利用者数全体が178,975人で前年度と比較して約22パーセントの増加となり回復の傾向にあるものの、コロナ禍前の水準の70パーセント程度に留まっている。
未だコロナ禍の収束が不透明な状況であり、引き続き佐渡市の予防対策ガイドラインに基づいた感染症対策を講じて、安心・安全なスポーツ環境を提供することによって市民スポーツの身体的・精神的な健康の維持を図る必要がある。
② 事業内容
各種スポーツ教室の実施(拡充) | |
ボランティアポイント付与制度 | |
陸上競技場市民開放デーの実施 | 【中止】 |