令和6年度 佐渡市スポーツ協会 基本方針及び事業計画

基本方針

 創立10周年を翌年に控え令和6年度は、各加盟団体と連携して、これからのスポーツ環境の変化に適切に応じた市民スポーツ活動の普及・推進を図ることによって、スポーツアイランド佐渡の構築を図る。

【はじめに】

 創立10周年を翌年に控えて
 翌年令和7年度に一般財団法人佐渡市スポーツ協会設立10周年を迎える。
 この間、市民スポーツ活動の普及・推進を図るとともに、トライアスロンをはじめとするイベント事業の実施に取り組んできたが、コロナ禍の直撃を受け、スポーツ活動の停止や制限を余儀なくされた。その中であっても全国大会等の大舞台で活躍するアスリートが排出されたり、多種多様なスポーツ活動や健康志向のスポーツ活動が展開されるとともに、各イベントも再開されるなど、一定の成果を収めてきた。
 しかしながら、近年、市民スポーツ活動の縮小や停滞傾向は否めない。
 その原因の一つがスポーツ環境の変化であり、具体的には、人口構成の変化である。子供の数が年々減少するとともに、高齢者の人口が増加している。
 次の10年、当協会は、この人口構成の変化に適切に対応したスポーツ推進体制を構築する必要がある。
 そのため、令和6年度は、当協会の理念を協会全体で確認し、次の10年につなげていくために基本方針を定めていきたい。
 令和6年度事業計画では、「佐渡市スポーツ振興計画」に掲げられる「育てる」「健康」「競技」「支える」「観光」「情報・医科学」を意識し、その推進者として事業を実施したい。そして、子供から高齢者までがスポーツの機会を得て、スポーツの恩恵を享受できる島を目指す。

事業計画・事業報告

(1)競技力の強化を目指し、優秀選手並びに指導者育成を図る。

  • ① 競技団体によっては、段階に応じた指導をジュニア層から高校生・一般まで、一貫した指導体制を構築し成果を上げている。当協会として、これらの競技団体に引き続き助成制度が有効活用されるよう支援していく。
  • ② 指導体制が未整備の競技団体には、一貫した指導体制を構築するよう支援を図っていく。
  • ③ スポーツ協会の役員を支援員として派遣する。
  • ④ スポーツ講習助成事業を通して支援する。
  • ⑤ 中学校の部活動の地域移行を支援する。

 
◎  事業内容

 ・選手育成強化事業助成事業  年間実施

270万円

 ・スポーツ交流支援助成金事業  年間実施

130万円

 ・スポーツ講習助成事業  年間実施

30万円

 ・加盟団体助成事業  年間実施

270万円

 ・総合スポーツ大会の開催  6月~8月

35万円

 ・指導者講習会の実施  11月上旬

10万円

 ・表彰式(優良指導者等)  2月16日(日)

58万円

 

2)市民の健康づくりに寄与する生涯スポーツを振興する。

  • ① 健康寿命日本一を目指し、意識的にスポーツに取り組むよう推進する。
  • ② 高齢者社会に対応した地域住民の健康づくりを目指すとともに、スポーツ離れが進む子どもたちへ、継続的にスポーツに触れ合う場の提供を推進する。
  • ③ 幼児から高齢者まで、その年代にふさわしいスポーツの振興を通して、市民の健やかな心身を育むことに寄与する。
  • ④ 市民の各年代にふさわしい生涯スポーツニーズに応えるよう啓発活動を推進する。そのために、有資格職員等による運動教室の充実や指導者派遣事業の拡充を図る。
  • ⑤ 地域スポーツ振興の担い手である地区公民館、スポーツ推進委員協議会、当協会加盟地区体育・スポーツ団体の三者が連携して、地域住民の健康づくり、コミュニティづくりを図るよう地域コミュニティ事業の推進を図る。
  • ⑥ 新潟県スポーツ協会と連携しインテグリティ講習会や指導者講習会、運動遊びイベント等を実施します。

 
◎  事業内容

 ・協会設立記念第10回佐渡市グラウンド・ゴルフ大会  6月2日(日)

2万円

 ・陸上競技場市民開放デイ  9月29日(日)

1万円

 ・第5回さど健幸ウォークの開催  10月26日(土) 

30万円

 ・第1回市民ボッチャ大会

 1月18日(土)

 1万円

 ・第8回市民カローリング大会  3月2日(日)

1万円

 ・リレーマラソン大会の開催    3月22日(日)

25万円

 ・地域コミュニティ事業  年間実施

30万円

 ・園児の運動あそび教室出前授業(拡充)  年間実施

 

 ・シニア体力づくり教室出前授業(新規)  年間実施

 

 ・高齢者健康づくり教室出前授業(拡充)  年間実施

 

 ・協会直営のスポーツ教室の実施(拡充)  年間実施

 

 ・広報紙発行  

42万円

 

(3)協会主管イベントの充実を図るため、関係機関との連携を強化する。
 スポーツイベントについては、新型コロナウイルスが5類に移行した後、どれだけコロナ前の大会規模に近づけるかを最大の目標とし、参加選手の満足度の更なる上昇を目指し大会を開催する。
 また、年々確保が困難になりつつあるボランティアについては、関係機関と協議しながら人員の確保と必要人数の削減の方法を検討する。常態化しているボランティア確保の課題は、ボランティアのやりがいや楽しみ方を知る研修会を開催し、視点を変え島外ボランティアの募集等、スポーツボランティアの養成も継続していく。
 
◎  事業内容

 ・佐渡トキマラソンファンラン(1.5km、3km)

4月20日(土)

 ・第15回佐渡トキマラソン (フル、ハーフ、10km)

4月21日(日)

 ・エンジョイグルメライド

5月18日(日)

 ・第19回佐渡ロングライド210

5月19日(日)

 ・第12回佐渡オープンウォータースイミング

7月21日(日)

 ・第23回佐渡ジュニアトライアスロン大会

8月31日(土)

 ・第36回佐渡国際トライアスロン大会

9月1日(日)

 

4)指定管理施設の市民有効活用のため、適切かつ効果的な施設管理を行う。

  • ① 佐渡市総合体育館は、令和6年度から3年間、指定管理期間を更新した。そしてこの3年間は、新潟県内で広く指定管理業務を受託している株式会社バーテックスと共同事業体を構成し、管理運営を行っていくことになった。受付業務のデジタル化や最新型フィットネス・トレーニング機器の導入、新たな教室の開催等、民間企業のノウハウを取り入れて運営する。
  • ② 各施設でのスポーツ教室の実施により、参加者の増加や修了者の利用促進を図る。また、特に利用者数の少ない陸上競技場や佐和田野球場については、市民開放デイに続く、新たなイベントを企画・実施し、利用促進を図る。
  • ③ 施設運営にあたっては、安全管理の徹底を図るとともに、利用者の声を聞きながらホスピタリティの向上や営業時間の柔軟な対応等によりサービスの向上を図る。
  • ④ 施設の老朽化等による修繕にも積極的に対応し、佐渡市と協議しながら、早期対応を図る。
  •  また、1月1日の能登半島地震で被災し、現在利用を中止している佐渡スポーツハウスのプール棟や両津総合体育館アリーナについては、佐渡市と協力し、1日も早く利用できるように努める。

 
◎  事業内容

 ・各種スポーツ教室の実施
 ・市民向け運動啓発事業(佐渡市総合体育館)
 

1.基本方針について

  • ① 令和5年度は、加盟団体と連携して、コロナ禍のため停滞したスポーツ活動を復活させること、市民の健康維持増進のニーズに対応できるようにスポーツの機会の充実を図ること、さらに中学校部活動の地域移行が円滑に行われるよう共に支援することを基本方針に掲げ取り組んできた。
  • ② この約3年間のスポーツ活動停滞からの脱却は、容易ではなかった。
  • ③ 各種大会やスポーツイベントの参加人数の減少傾向は、歯止めがかからなかった。総人数そのものが年々減少している児童生徒を対象にした事業は、以前の盛況さがなくなり、募集しても定員に達しないことが多くなった。その中にあって、系統だった指導体制を整えている加盟団体にあっては、活況さを保ち続け、本年度も全国大会で優秀な成績を収めるなど、コロナ禍以前に劣らない成果を上げていた。
  • ④ しかし、当協会の恒常的な課題である人材不足という課題が露呈した。各加盟各団体において、イニシアティブをとるリーダーが高齢化していること、若手の台頭が望まれる。
  • ⑤ また、健康維持増進活動普及により、施設利用の拡大を図ろうとする協会の方針と65歳以上の施設利用料を無償とする佐渡市の施策とが相俟って、高齢者のスポーツに親しもうとする機運が高まろうとしていた。しかし、能登半島沖地震により、計画は大幅に変更せざるを得なくなった。
  • ⑥ このようなスポーツ環境の大きな変化が発生した本年度であったが、新理事や新評議員で構成される当協会は、新たな2つの方策を講じた。1つは当協会のもつ豊かな経験や人材によるスポーツ推進力を民間活力と合わせることにより、より多くの市民スポーツ振興の恩恵を与えることができるのではないかという方策である。この分野で実績のあるヴァテックス株式会社と佐渡市総合体育館における共同経営を行うことにした。
  • ⑦ もう1つは、協会内部組織改革である。当協会に寄せられる様々な外部からのニーズに対し、スピーディに組織的に対処できる組織にすることである。具体的には職務分掌と責任体制を明確にさせた。今までは専務理事、常務理事のもと、横一線に職員が配置されていた。
  • ⑧ 総務部 事業部、イベント部にそれぞれ新たに係長を配置し、縦系列の職員配置とした。係間の相互の異動を行うことによって、マンネリ化を防ぐとともに新進気鋭の人材の配置を目指す。今後は副係長、嘱託員の配置などを計画している。
  • ⑨ 令和5年度は、スポーツ環境の変化に適切に対応できるか、スポーツ協会の命運をかけた試行が開始された年度であった。

2.事業報告

(1)競技力の強化を目指し、優秀選手並びに指導者育成を図る。
 市内青少年の全国大会への出場が本年度も定着してきている。その要因は、優秀なアスリートを育成するため、初級段階から上級段階まで個々に応じた指導をジュニア層から高校生・一般まで、指導体制を構築していることである。協会として、これらの競技団体に引き続き助成制度が有効活用されるよう支援するとともに、他の競技団体には、一貫した指導体制を構築するよう支援を図ってきた。その結果、ジュニア層の教室の開設、小中合同練習、中高一般合同講習会等、系統だった指導体制を構築する団体が増えてきている。今後もこの流れを大事にする必要がある。
 
 また、スポーツ講習助成事業を通して、優秀選手及び指導者を育成するため、島外から優秀指導者やアスリートを招聘し、指導力や競技力の向上を図るための実技講習会や講演会を実施していた。当協会として、この流れも強力に支援する必要がある。
 
◎  事業内容

 ・選手育成強化事業助成事業  ※28競技(2,789,000円)
 ・スポーツ交流支援助成事業  ※11競技( 802,300円)
 ・スポーツ講習助成事業  ※4競技( 252,000円)
 ・加盟団体助成事業  ※28団体(2,450,000円)
 ・総合スポーツ大会の開催  ※令和5年6月~8月:13競技
 ・さどリレーマラソン大会  ※令和6年 3月23日(土)
 ・指導者講習会の実施  ※令和5年11月19日(日)
 ・スポーツ講演会  ※令和6年 2月11日(日)
 ・表彰式(優良指導者等)  ※令和6年 2月18日(日)
 

2)市民の健康づくりに寄与する生涯スポーツを振興する。
① 本年度も希薄になってしまったと言われる地域コミュニティを少しでも再構築するため、地域スポーツ振興の担い手である地区公民館、地区スポーツ推進委員協議会、地区体育・スポーツ団体の三者が連携して、地域住民の健康づくり、コミュニティづくりに取り組んだ。
② その地域の住民の特性を把握し、ニーズにあった内容と方法を3者で協議して、企画・運営していた。年々、地区ごとに創意と工夫がみられるようになった。ウオーキング愛好者が多い地域はウオーキングを、老人会と少年野球チームが交流会を行っている地区はカローリングを、芝生のグラウンドや野球場があるところではグラウンド・ゴルフを、スポーツ協会の親睦を深めることから各ニュースポーツを組み合わせたイベントを設けたりしていた。奨励種目のカローリングだけでなくボッチャやモルックを取り入れる地域が出てきている。
③ スポーツ離れの状況がみられる子供たちへ、継続的にスポーツに触れ合う場の提供を推進することがねらいであった。そのために、有資格職員を最大限活用して教室等の充実や指導者派遣事業の拡張を図った。
④ 創意工夫した広報誌発行
   多くの会員が登場する広報紙面を編集することができた。題名をスポーツ佐渡として、市民に親しまれる編集内容に努めた。
 
◎  事業内容

 ・第9回市民グラウンド・ゴルフ大会  ※令和5年 6月 4日(日)
 ・第7回市民カローリング大会  ※令和6年 3月16日(土)
 ・第1回市民ボッチャ大会  ※体験コーナーのみ、次年度へ持越
 ・地域コミュニティ事業  ※8地区(新穂・畑野除く)
 ・第4回さど健幸ウォーク  ※令和5年10月14日(土)
 ・園児の運動遊び教室出前授業(拡充)  ※次年度へ継続
 ・シニア体力づくり教室出前授業
 ・高齢者健康づくり教室出前授業(拡充)
 ※次年度へ継続
 ※次年度へ継続
 ・協会直営のスポーツ教室の実施(拡充)
 ・広報誌発行
 ※次年度へ継続
 ※年2回発行(別添参照)
 

(3)協会主管イベントの充実を図るため、関係機関との連携を強化する。
① 今年度は国・県の指針に沿った対策を講じたうえで、可能な限り魅力ある大会にしていくことに努めた。具体的には、
② また、ボランティアの確保も困難が予想されることから、関係機関と協議しながら効果的な運営方法を検討行った。
③ ボランティア確保の課題は常態化していることから、ボランティアのやりがいや楽しみ方を知る研修会を開催し、スポーツボランティアの養成を図った。
 
◎  事業内容

 ・第14回佐渡トキマラソン 

※4月23日(日)

 ・エンジョイグルメライド(新規)

※5月20日(土)

 ・第18回佐渡ロングライド210

※5月21日(日)

 ・第11回佐渡オープンウォータースイミング

※7月23日(日)

 ・第22回佐渡ジュニアトライアスロン大会

※9月2日(土)

 ・第35回佐渡国際トライアスロン大会

※9月3日(日)

 ・ボランティア研修会

※次年度へ継続 

 

4)指定管理施設の市民有効活用のため、適切かつ効果的な施設管理を行う。
① 震災による施設の復興を図ることが課題とされていて、効果的な施設管理、市民に有効活用をどのように図っていくかは、令和6年年度以降に持ち越された。
② 施設の老朽化による修繕に積極的に対応し、佐渡市と協議しながら、改修箇所の早期対応に努めてきたが、相次ぐ施設の機器の故障に日々追われてしまった。
③ 今後は、長期的展望に立ち、佐渡市と協議をしながら、管理施設の維持継続に耐えうる施設経営を考えていかなければならない。
④ 活用できる施設では、スポーツ教室の拡充をし、教室の参加者や修了者の利用促進を図ることに努めた。特に利用者数の少ない陸上競技場については、昨年に引き続き開放ディ等のイベントを企画・実施し、利用促進を図った。しかし、陸上競技愛好者やサッカー愛好者に限定されて、一般市民利用度の高まりには及んでいない。
⑤ 施設運営にあたっては、安全管理の徹底を図るとともに、利用者の声を聞きながらホスピタリティの向上や営業時間の柔軟な対応等により、サービス向上を図る。
 また、本年度は、佐渡市総合体育館関連施設の指定管理業務受託の最初の年である。ヴァテックスとの共同管理上が円滑にいくため、諸課題を共に解決を図れるように協議を定期的にしていく必要がある。
 
◎  事業内容

 ・各種スポーツ教室の実施(拡充)  ※次年度へ持越
 ・ボランティアポイント付与制度  ※ボランティア参加者へ付与
 ・陸上競技場市民開放ディ及びイベントの実施  ※9月30日(土)

各種書類


過年度分

【はじめに】

 令和4年度は、ゼロコロナから、withコロナに移行した中で、スポーツの普及・振興に努めること、それによって、コロナ禍以前のスポーツ活動の復活を目指すことに取り組んだ1年であった。
 当協会にとっては、過去3年間のコロナ禍は予想できない影響があり、協会が推進するスポーツ活動の復活は容易ではなかった。その顕著な例が、開催直前に中止にせざるを得なかった佐渡トキマラソン大会である。第7波の収束を見込んで計画を進めていたが、第8波が襲来し、大会を安全に実施する気運や体制を整えることができなかったことである。
 そこで、コロナ禍にあって、安心・安全にアスリートやボランティアがスポーツ活動を展開するにはどうすればよいか、みんなで考え、学び、実践した結果、再開への環境を徐々に整えていくことになった。 幸いなことに、国によるワクチン接種普及率の向上もあって、スポーツをめぐる環境が変化し、足かせとなっていた規制が次々に緩和されるようになった。
 春にはプロ野球OBによる全国少年少女野球教室を開催したり、佐渡ロングライド210やウォータースイミング大会をwithコロナの精神で次々に復活させたりした。
 夏の佐渡国際トライアスロン大会の復活にいたっては、内外のアスリートだけでなく、久々に大会関係者や市民にスポーツによる喜びを蘇らせることができた。
 また、全国レベルの大会も次々に復活し、離島甲子園大会での佐渡市中学生の優勝をはじめ、市内高校生チームが、バスケットボール、バレーボールの全国という大舞台で実力を発揮し、好成績を収めた。
 秋には、新規事業の佐渡市陸上競技場の無料開放ディを実施し、障害スポーツ実践者やサッカー愛好者、50メートル電子計測(写真判定走)希望者など、新しい分野のスポーツ・運動に取り組む環境を創出するとともに、あまりなじみのない陸上競技場を紹介することにもつながった。
 令和5年度は、「コロナ禍に怯むことなく、コロナに正対し、withコロナの精神で、スポーツ活動の推進を図る」を継続し、「守勢」であった今までの当協会のスポーツ活動を、まずはコロナ禍以前の活動状況に復帰させること、次にそれ以上に振興を図る「攻勢」へと転じていくことを目標としたい。そのため次の3点を重点的に取り組んでいく。
 その第1点は、当協会加盟団体の活動の復活を実現することである。猛威を振るうコロナ禍にあって、中止の可能性をはらみながら、取組を強いられた当協会の加盟団体の受けた影響は大きい。事業を計画しても、以前のような参加者が得られないことや、推進する人材の不足や高齢化が以前に増して報告されている。特に地域スポーツ協会(体育協会)にこの傾向は顕著である。協会挙げて、指導者の育成、競技力向上のための講習会支援や新しい人材づくりに努める必要がある。加盟競技団体への活動支援が競技力の向上に結び付き、加盟地域スポーツ協会等への支援が、元気な地域づくりへと結びついていくことと確信する。
 その第2点は、市民の健康寿命の延長に貢献するため、健康維持増進活動や生涯スポーツの普及に努めることである。現在、幼児スポーツ教室や健康教室や介護予防教室等の取組やグラウンド・ゴルフ、カローリングなど、「いつでも、だれもが、手軽に取り組めるスポーツ」の推進を行ってきている。
 今後も、意欲的にスポーツ・運動に取り組める環境を整備することに努め、市民の健康の保持・増進のため、スポーツ活動を拡充することに努めていく。また、当協会の推進している地域コミュニティ事業の拡充も図っていく。
 第3点は、文部科学省により中学校の部活動が地域スポーツ活動への移行が進められている。移行が円滑に行われるため、学校及び競技団体への連絡調整を図り、移行を支援していくことである。
 以上のことを踏まえ、令和5年度も引き続き次を基本方針に掲げ総力を挙げて取り組む。


【基本方針】

令和5年度の基本方針を次のように定める。

 

 市民のスポーツに対する関心を高め、市民のスポーツ参加を促し、その活性化を図っていく。そのため、スポーツ推進の中心的存在である各加盟団体と連携して競技力向上を図るとともに、市民スポーツや生涯スポーツを推進し、スポーツアイランド佐渡の環境整備を進める。

(1)競技力の強化を目指し、優秀選手並びに指導者育成を図る。
 市内青少年の全国大会への出場が定着してきている。競技団体によっては、優秀なアスリートを育成するため、初級段階から上級段階まで個々に応じた指導をジュニア層から高校生・一般まで、一貫した指導体制を構築している。当協会として、これらの競技団体に引き続き助成制度が有効活用されるよう支援していく。また、指導体制が未整備の競技団体には、一貫した指導体制を構築するよう支援を図っていく。
 優秀選手及び指導者を育成するため、島内外から優秀指導者やアスリートを招聘し、指導力や競技力の向上を図るための実技講習会や講演会を実施する競技団体には、スポーツ講習助成事業を通して支援する。
 
◎  事業内容

 ・選手育成強化事業助成事業  年間実施

270万円

 ・スポーツ交流支援助成金事業  年間実施

130万円

 ・スポーツ講習助成事業  年間実施

30万円

 ・加盟団体助成事業  年間実施

270万円

 ・総合スポーツ大会の開催  6月~8月

35万円

 ・リレーマラソン大会の開催  3月24日(土)

25万円

 ・指導者講習会の実施  11月上旬

10万円

 ・表彰式(優良指導者等)  2月16日(日)

58万円

 

2)市民の健康づくりに寄与する生涯スポーツを振興する。
 市民にスポーツの必要性を訴え、意識的にスポーツ・運動に取り組むよう推進する。
 スポーツ振興を通して、高齢者社会に対応した地域住民の健康づくりと地域コミュニティの活性化を目指すとともに、スポーツ離れの状況がみられる子供たちへ、継続的にスポーツに触れ合う場の提供を推進する。
 幼児から高齢者に至るまで、そのステージにふさわしいスポーツの振興を通して、市民の健やかな心身を育むことに少しでも寄与することは、市民の健康と地域社会の発展に貢献することにつながる。市民の各ステージにふさわしい生涯スポーツニーズに応えるよう啓発活動を推進する。そのために、有資格職員を最大限活用して教室等の充実や指導者派遣事業の拡張を図る。
 コロナ禍のため希薄になってしまった地域コミュニティを再構築するため、地域スポーツ振興の担い手である地区公民館、地区スポーツ推進委員協議会、地区体育・スポーツ団体の三者が連携して、地域住民の健康づくり、コミュニティづくりを図るよう地域コミュニティ事業の推進を図る。
 
◎  事業内容

 ・協会設立記念第9回佐渡市グラウンド・ゴルフ大会  6月4日(日)

1万円

 ・第7回市民カローリング大会  3月4日(日)

1万円

 ・第1回市民ボッチャ大会

 1月18日(土)

新規 1万円

 ・地域コミュニティ事業  年間実施

30万円

 ・第4回さど健幸ウォークの開催  10月28日(土) 

31万円

 ・園児の運動あそび教室出前授業(拡充)  年間実施

 

 ・シニア体力づくり教室出前授業(新規)  年間実施

 

 ・高齢者健康づくり教室出前授業(拡充)  年間実施

 

 ・協会直営のスポーツ教室の実施(拡充)  年間実施

 

 ・広報紙発行  

42万円

 

(3)協会主管イベントの充実を図るため、関係機関との連携を強化する。
 前年度の4大スポーツイベントについては、コロナ禍で開催することを最大の目標とし、飲食物の提供など感染リスクの高いサービスは取り止め、必要最低限の内容としたため、大会本来の魅力が失われたものとなった。今年度は国・県の指針に沿った対策を講じたうえで、可能な限り魅力ある大会にしていく。
 また、ボランティアの確保も困難が予想されることから、関係機関と協議しながら効果的な運営方法を検討する必要がある。ボランティア確保の課題は常態化していることから、ボランティアのやりがいや楽しみ方を知る研修会を開催し、スポーツボランティアの養成を図る。
 
◎  事業内容

 ・第14回佐渡トキマラソン 

4月23日(日)

 ・第1回エンジョイグルメライド(新規)

5月20日(土)

 ・第18回佐渡ロングライド210

5月21日(日)

 ・第11回佐渡オープンウォータースイミング

7月23日(日)

 ・第22回佐渡ジュニアトライアスロン大会

9月2日(土)

 ・第35回佐渡国際トライアスロン大会

9月3日(日)

 ・ボランティア研修会

 

 

4)指定管理施設の市民有効活用のため、適切かつ効果的な施設管理を行う。
 市の施設利用に際しての予防対策ガイドラインに基づいて、指定管理施設を適正に管理し、安心・安全なスポーツ環境を提供する。
 各施設でのスポーツ教室の拡充をし、教室の参加者や修了者の利用促進を図る。また、スポーツイベントのボランティア参加によるポイント付与制度の効果的な活用により、体育施設の利用機会の創出をする。特に利用者数の少ない陸上競技場については、昨年に引き続き開放ディ等のイベントを企画・実施し、利用促進を図る。
 施設運営にあたっては、安全管理の徹底を図るとともに、利用者の声を聞きながらホスピタリティの向上や営業時間の柔軟な対応等により、サービス向上を図る。
 施設の老朽化による修繕にも積極的に対応し、佐渡市と協議しながら、改修箇所の早期対応を図る。
 また、本年度は、佐渡市総合体育館関連施設の指定管理業務受託の最終年度であり、継続して契約できるように対応していく。
 
◎  事業内容

 ・各種スポーツ教室の実施(拡充)  
 ・ボランティアポイント付与制度  
 ・陸上競技場市民開放ディ及びイベントの実施  10月28日(土)
 

1.基本方針及び事業計画
(1)競技力の強化を目指し、優秀選手並びに指導者育成を図る。
 
① 実施状況と課題
ア 競技力の強化
 令和4年度は、野球、バスケットボール、バレーボール、陸上競技、空手の5競技種目のジュニアが全国大会出場を果たし、さらにその全国大会でも上位に入賞するなど、ジュニアの競技力向上が注目を浴びた。これは、ジュニア層から高校・一般まで、初級から中級、上級へと系統だった一貫した指導を推進している加盟競技団体の長年の努力の成果であり、指導体制の有効性を推奨する良い事例となっている。今後も一貫した指導体制が未整備の競技団体には、指導体制の構築を図っていくことが求められている。
 一方、令和4年度は、Withコロナの観点から、各加盟団体に活動再開を働きかけた結果、総合スポーツ大会を皮切りに活動再開が見受けられた。今後は、競技者が競技レベルの向上をそれぞれ目指していくことが課題である。そのために、競技力向上をねらいに設けられている選手育成強化事業やスポーツ交流支援事業を有効に活用するように指導者をはじめ関係者に周知を図っていく必要がある。
 
 イ 指導者の育成
 令和4年度、当協会が主催する指導者講習会は、講師に茂木ゆういち氏を招聘し、「Z世代に対する指導とドイツ流の指導について」と題して講演会を開催した。大人世代とは異なった感性をもっているジュニア層(Z世代)に対する指導の仕方について、得るものが多かったとの感想が多く寄せられた。今後も指導者のニーズを把握し、それに応える講習会をいかに企画するかが課題である。
 指導者の資質向上を目的に設けられている講習会助成事業を活用したのは、わずか2競技団体だけであった。スポーツ交流支援助成事業についても、令和4年度もコロナ禍の影響により活動自体を自粛する傾向にあり、たった1件しかなかった。しかし、年度後半、コロナの収束に伴い島外から指導者を招聘して、講習会を開催したり、チームを招いて交流大会を復活したりしようとする動きが起きた。
 今後は、この流れを加速させ、講習会助成事業、交流支援助成事業の周知を図り、推奨することが課題である。
 
② 事業内容

  事業内容 支出額
 選手育成強化事業助成事業(予算額270万円) 1,864,000円* 
 スポーツ交流支援助成金事業(予算額130万円) 384,800円* 
 スポーツ講習助成事業(予算額30万円) 25,000円* 
 加盟団体助成事業(予算額270万円) 2,130,000円* 
 総合スポーツ大会の開催(予算額35万円) 267,528円 
 プロ野球OB会少年少女野球教室(予算額15万円) 98,926円 
 指導者講習会の実施(予算額10万円) 100,000円 
 優良指導者等表彰(予算61万円) 560,154円 
(*別紙資料1参照)

 


(2)市民の健康づくりに寄与する生涯スポーツを振興する。
 
① 実施状況と課題
 協会主催の第8回市民グラウンド・ゴルフ大会や第5回市民カローリング大会は、初心者の参加も増え、年々定着している。しかし、現在のスタッフや設備、用具数を考えると日程や参加者チーム数を検討し、運営方法を考える必要がある。
 これらの生涯スポーツがもつ特性、「適度な運動、脳トレ、仲間との楽しいコミュニケーション」が、体力維持増進につながることを啓発し、健康寿命延伸の意識と結びついていくよう働きかけていくことが課題である。
 第3回となる健幸ウォークは、真野会場にロングコース(21km)17人、ショートコース(12km)31人合計48人の参加で、コロナ禍の影響か、例年と比較して参加者数が減少したものの、参加者は、普段歩いたことのないコースや新しい店舗等を巡り、好評を得た。
 さどリレーマラソンについては、コロナ禍での開催ではあるが、規制も緩和し、午前中はハーフマラソンの部に11チーム、午後のフルマラソンの部に8チーム、計19チーム、220人が参加した。今回から一般チームでもハーフマラソンの部に参加できるようにし、親子で参加するなど微笑ましいシーンが数多く見られた。
 幼児期における運動習慣を身に付けるため、市と連携して市内すべての公立保育園に指導者を派遣し、延べ76回(1,234人)の幼児運動遊び教室を実施した。
 新潟県スポーツ協会の委託事業で、116日(日)に新潟アルビレックスランニングクラブが中心となり、佐渡市総合体育館を会場に「スポーツ体験キャラバン」を実施した。親子健康づくり、パラスポーツ、親子運動遊び、フェンシング、かけっこチャレンデイ25やプレイエリアブースを設置し、参加者にはガラポン抽選会も実施して、218人の来場者があり、各ブースの参加延べ人数は、1,567人で、1人当たりの体験ブース回数は、7.2回と他の3会場(上越、長岡、新潟)よりも多く、参加した子供たちは、何回も何回も各ブースを回って楽しんでいた。好評により、令和5年度も1022日におんでこドームで実施を計画している。
 地域コミュニティ事業については、両津、金井 相川、佐和田、真野、小木、羽茂、赤泊地区において実施された。推奨種目のカローリングにグラウンド・ゴルフ、ボッチャなどのニュースポーツを取り入れたり、ウォーキングや親子楽しみ会などを工夫して組み合わせたりして取り組んでいた。
 実施を見送った地域に対しては、その地域の特徴的なスポーツ活動を活かして、地区体育協会、スポーツ推進委員協議会、公民館が連携して実施できるように企画・運営面に支援をしていくことが課題である。
    
② 事業内容

 事業内容 支出額
 第8回佐渡市グラウンド・ゴルフ大会(予算額2万円) 7,655円 
 第6回佐渡市カローリング大会(予算額1万円) 5,989円 
 地域コミュニティ事業(予算額30万円) 205,914円 
 第3回さど健幸ウオークの開催(予算31万円) 81,408円 
 リレーマラソン大会の開催(予算25万円)  223,240円 
 広報紙発行(予算額42万円) 410,850円 
 スポーツボランティア講習会  
 園児の運動あそび教室出前授業(別紙資料3参照)  
 シニア体力づくり教室出前授業(別紙資料2参照)  
 協会直営のスポーツ教室の実施(別紙資料2参照)  

 


(3)市の委託事業の充実を図るため、関係機関との連携を強化する。
 
① 実施状況と課題
 4大スポーツイベントについては、佐渡トキマラソン大会がコロナ禍の影響により3年連続で中止となった。しかし、佐渡ロングライド、佐渡オープンウォータースイミング、佐渡国際トライアスロン大会は開催し、選手の大会参加の機会を創出するとともに、翌年度以降の大会参加につなげていくこととなった。
 
② 事業内容

 ア) 第13回佐渡トキマラソン2022  中止
 イ) 第17回佐渡ロングライド210
 ウ) 第10回2022佐渡オープンウォータースイミング
 エ) 第34回佐渡国際トライアスロン大会

 


(4)指定管理施設の市民有効活用のため、適切かつ効果的な施設管理を行う。
 
 ① 実施状況と課題
【全体】
 令和4年度は、長期にわたる活動の自粛により身体的・精神的な疲労が懸念されたなか、withコロナの対策が浸透したことにより、当協会が指定管理をしている体育施設においては、利用者数全体が前年度と比較して約35パーセントの増加となり、回復の傾向にあった。しかし、令和元年度コロナ禍前の水準の70数パーセント程度しか回復しておらず、これからの大規模イベントや商業イベントの開催が待たれる。
 引き続き、安心・安全なスポーツ環境を提供することによって市民スポーツの身体的・精神的な健康の維持を図るため、適切かつ効果的な施設管理に努めたい。
 新規事業として取り組んだ佐渡市陸上競技場無料開放デイは、公認陸上競技場を一般市民に無料で開放することにより、施設の認知度の向上や利用促進を図るとともに市民スポーツの普及振興を図ることが目的であった。
 利用促進については、写真判定計測体験コーナーでは、小学生から高齢者まで、また親子で利用されていた。正式に記録が計測され、記録書を受けとると、ことのほか喜んでいた。グラウンド・ゴルフ、フライングディスク、サッカーの各コーナーなど、普段はできない試技や用具に触れることができ、有意義な時間を提供することができた。各コーナーの運営に携わった各団体が、普及をはかる良い機会としてこのイベントをとらえ、発展させていくことが望まれる。
 そして、国民の祝日であるスポーツの日に、子供から高齢者まで、多くの市民が佐渡市陸上競技場に集い、スポーツを楽しむイベントの一つになるよう第2回目を企画することが課題である。
 
② 事業内容

 各種スポーツ教室の実施(拡充)
 ボランティアポイント付与制度
 陸上競技場市民開放デーの実施